2019年4月9日の深夜、紙幣刷新という一大ニュースが発表されました。
既に報道などでご存知の方も多いと思いますが、紙幣刷新のニュースは我々国民にとって他人事ではありません。
なぜなら、大多数の日本人が毎日無意識のうちに紙幣に映る人物の顔を見ているからです!
そこで、この記事では新しいお札の肖像画がいつ・だれに代わるのかを解説し、人選の共通点とそこから見える政府のねらいまでを考察していきたいと思います。
1.新しいお札が発行される期間と時期
画像出典:https://www.bengo4.com/c_1009/n_9082/
さて、さっそくニュースをもとに紙幣の刷新に関する情報を整理していきましょう。
まず、紙幣の刷新が発表されるのは2004年以来約16年ぶりとなります。
前回の変更では、5千円札が新渡戸稲造から樋口一葉に、千円札が夏目漱石から野口英世に、それぞれ肖像画が変更されました。
一方で、1万円札の福沢諭吉は1984年から継続して描かれることが決まったため変更はありませんでした。
また、ここで見ていただくと分かるように紙幣のデザイン刷新は原則20年周期で実施されています。
そのため、今回は早期発表となりましたが、デザインそのものの刷新は前回の2004年から20年が経過した2024年になるのではないかと予想できます。
2.新しいお札に描かれることが検討されている人物の名前
次に、一部報道で言及されている「新紙幣に描かれることが検討されている人物」について、人物名の紹介と簡単な人物解説を行いたいと思います。
1.新しい一万円札は渋沢栄一が描かれる予定
まず、これまで約40年にわたって福沢諭吉が描かれ続けてきた1万円札は、次回の刷新より実業家として名を馳せた渋沢栄一が描かれることになりそうです。
渋沢は多数の会社を創業し、社会貢献の度合いも計り知れないものがあります。
そのため、渋沢の選出は妥当といえるのではないでしょうか。
渋沢栄一の簡単な人物紹介
旧幕臣として江戸時代末期に生まれた渋沢は、明治維新を経験した後に新政府でも要職を歴任しました。
政治家としては政財面に力を発揮し、国立銀行条例などの制定に貢献。
また、海外留学の経験を活かし、江戸時代の空気が漂っていた実業界を牽引する役割を担っていきます。
渋沢はなんと500以上の会社を創設したことでも知られており、その中には第一国立銀行(現在のみずほ銀行の前身)や王子製紙、大阪紡績(現在の東洋紡)など後世に多大な影響を与えた企業も含まれていました。
また、晩年は教育への投資にも力を入れ、東京商科大学(現在の一橋大学)などの設立にも大きな貢献を果たしています。
2.新しい五千円札は津田梅子が描かれる予定
また、新5千円札は文学者の樋口一葉に代わり、女性の社会進出に大きく貢献した教育者の津田梅子が描かれることになりそうです。
樋口一葉に続いて女性の選出ということで、政府としても女性の社会進出をアピールする狙いがあるのかもしれません。
津田梅子の簡単な人物紹介
佐倉藩に生まれた梅子は、当時では異例ともいえる8歳にして渡米し米国で学業に励みます。
帰国後は自身の英語力を生かし英語の指導に力を入れていたほか、女子の教育を重視していました。
梅子は華族女学院で教師を務めた後、自身の国際的知見や女子の教育制度を充実させるべく女子英学塾を創立。
この女子英学塾は女子の教育が軽視されていた時代において女子の学習を促し、英語教育や近代的素養の会得に大きく貢献しました。
そして、この女子英学塾はやがて津田塾大学と名を変え、現代でもその名を残しています。
3.新しい千円札は北里柴三郎が描かれる予定
そして、新千円札は医学者の野口英世に代わり、同じく医学者の北里柴三郎が描かれることになりそうです。
二人は生前から交流があり、まさしく近代日本を医療面で支えた医学者リレーという様相をみせています。
北里柴三郎の簡単な人物紹介
東京医学校を卒業後、北里はドイツで細菌学を専攻しています。
そこで彼は破傷風菌を培養させることに成功し、血清を作り出すという功績を残しました。
当時不治の病とされていた破傷風の治療法を確立した功績は大きく、世界にその名を轟かせることになります。
その後は日本に帰国し伝染病研究所の所長を務める傍ら、土筆ヶ岡養生園を設立し、医学者として研究を続けていました。
しかし、伝染病研究所が東京帝国大学に吸収されると知った北里は所長を退任し、新たに北里研究所を設立します。
これらの施設は現代でも「北里大学」に関連する一連の医療機関としてその名を残し、医療界に貢献し続けています。
また、慶應義塾に医学部を創設することにも貢献しました。
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