国民栄誉賞を受賞するとお金はもらえる?賞の基準、賞金や問題点などを徹底解説!

メダル歴史

さて、先日イチロー選手が引退を発表したことを受け、内閣府より同選手に国民栄誉賞授与の提案がなされました。

しかし、以前と同様に再度イチロー選手が受賞を辞退したことは記憶に新しいでしょう。

このように、「スポーツ選手が国民栄誉賞を受賞、あるいは辞退した」というニュースはしばしば報道されています。

ただ、筆者の周りを見ていると、賞の存在や権威は知っているがいまいち詳しいことを知らないという人が多いように感じます。

そこで、この記事では「国民栄誉賞」の情報を徹底的に解説し、賞の存在を考えていきます。

1.国民栄誉賞の成立の歴史と受賞者の特徴

国民栄誉賞 安倍首相 羽生氏 井内氏
画像出典:https://diamond.jp/articles/-/160045

さて、現行の「国民栄誉賞」を見ていく前に、まずそもそも国民栄誉賞がどのような経緯でいつ設けられたものなのか、という国民栄誉賞の歴史を整理していきたいと思います。

1.国民栄誉賞の創設は1977年

国民栄誉賞が創設されたのは、意外なことに1977年とかなり近年になってからです。

この1977年という時代は、読売巨人軍の選手であった王貞治が本塁打数の世界記録を目前に控えていた時代でもありました。

そこで、当時首相を務めていた福田赳夫が王貞治に与えるための賞として創設したとされています。

これ以前にも国家に対して功績のあった人物を表彰する賞はありましたが、その賞にはスポーツ選手の受賞がありませんでした。

また、王は台湾国籍の人物でもあったため、外国籍の人物でも受賞できる賞が必要とされたという側面もあります。

こうして、現代でも権威のある国民栄誉賞は創設されたのです。

2.歴代の受賞者にはスポーツ選手がかなり多い

これまで、国民栄誉賞は26名と1団体が受賞しています。

受賞者の一覧については随時更新されていくので、内閣府が発行する公式のpdf文書をご覧ください。

このリストを眺めていくと、いくつか受賞者の特徴に気づく方もいらっしゃるかもしれません。

まず、スポーツ選手が非常に多いことが挙げられます。受賞者のうち11名と1団体がスポーツ関係と、この傾向は顕著に表れています。

また、死後に受賞する人物が多いのも特徴です。こちらも12名と、やはり顕著な傾向として表れているといえるでしょう。

こうした傾向は、後に解説する「国民栄誉賞をめぐる問題点」でも指摘されることが多い箇所なので、よく覚えておいてください。

2.国民栄誉賞の副賞!賞金でお金はいくらもらえる?

国民栄誉賞 賞状 盾
画像出典:https://bizamurai.com/archive/32224

それでは、賞の歴史と受賞者を整理したところでいよいよ現行の国民栄誉賞に関する基本情報を見ていきましょう。

なお、下記の引用はすべて内閣府の公式HPが出典となります。

1.国民栄誉賞を与える目的と表彰の対象

この表彰は、広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えることを目的とする。

と記されています。

ここからも分かるように、目的そのものは非常にあいまいであると指摘できます。

そして、表彰の対象は下記の通りです。

内閣総理大臣が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認めるものに対して行う。

こちらも非常にあいまいであり、同時に選出の権利が総理大臣に一任されていることが分かります。

ただし、国民栄誉賞表彰規程実施要領によると、選出に際しては次の過程も経過していると発表されています。

1.内閣総理大臣が表彰を行おうとするときは、候補者について、民間有識者の意見を聞くものとする。

このように、権利そのものは総理に一任されていますが、表彰を実施しようとする際には有識者の意見を募るとされています。

もっとも、ここでいう民間有識者は顔ぶれ・人数共にはっきりしたことが分かっていません。

そのため、「具体的にどういった選出方法や基準が設けられているのか」というのは週刊誌レベルで明かされるのみであり、公式にはハッキリと明かされていないのが実情です。

2.国民栄誉賞の副賞としてもらえる賞金額は不明

表彰は、国民栄誉賞を授与して行う。国民栄誉賞は、表彰状及び盾とする。表彰に当たっては、記念品又は金一封を添えることができる。

と記されています。

つまり、副賞としては記念品または金一封のどちらかを内閣府が添えるという事になっています。

ただ、これまで金一封が添えられたことはないとされており、報道によると各人に合わせた記念品が贈られているようです。

したがって、金一封が具体的にいくらなのか、ということはハッキリと分かっていません。