新しいお札の人物は誰だ!?次の紙幣で変わる偉人の名前や経歴、人選のヒミツを解説

お札 ケース 飛び出す歴史

3.今回の新しいお札に関する個人的な注目点

さて、ここまで報道で発表のあった紙幣刷新に関する内容と、描かれる予定の人物に関する簡単な紹介を行ってきました。

その中で個人的にいくつか感じることがあったので、最後にそれらの点に言及して記事を締めたいと思います。

1.新たに描かれる三名とも大学の創設に関わっている?

まず、真っ先に気になった共通点としては「新たに描かれる三名とも大学の創設に関わっている」という点です。

渋沢は一橋大学、梅子は津田塾大学、北里は北里大学と、それぞれが大学の創設に関わっています。

この点に関しては、やはり共通点として注目すべきでしょう。

その理由は、ズバリ何かしらの意図やねらいがあると考えられるからです。

個人的な推理ですが、この点は後述する「政府の学閥配慮」とも関連性があるように感じます。

2.慶應を第一に連想させる人物がいない?

次に気になった共通点としては「慶應を第一に連想させる人物がいない」という点です。

実際、彼らの名前を聞いて第一に思い浮かぶ大学は、やはり彼ら自身が創設した大学でしょう。

北里に関しては慶應医学部の創設に貢献しているので例外のような感じもしないではないですが、これは「この両校に対する配慮」ではないかと考えています。

つまり、これまで40年にわたって紙幣の一角を占めていた福沢諭吉がいなくなったことで、「慶應」を連想させる人物は確認できなくなりました。

3.政府内の「学閥意識」が見えてくる?

上記の二点から、筆者はこの人選に「政府内の学閥が関係している」という推理をしました。

その点を検証するために、今回と前回の肖像に関する「連想される大学」をまとめてみます。

2004年の刷新

福沢諭吉→慶應(1984年から継続)

樋口一葉→明治(イメージは薄い)

野口英世→日本医科(これもイメージは薄い)

2019年時点での刷新案

渋沢栄一→一橋

津田梅子→津田塾

北里柴三郎→北里(サブ的に東大と慶應)

こうして両者を比較すると、1984年から40年にわたって「慶應」を連想する人物が描かれていたのに対し、今回の案で連想させるのは北里柴三郎の北里大に次ぐサブ的なものになっています。
もちろんこれは偶然かもしれませんし、筆者の思い過ごしかもしれません。
ただ、40年も福沢諭吉が紙幣であり続けたという点から「慶應」の学閥が力を持っている可能性は十分にあるため、仮説の一つとして考慮に入れる余地はありそうです。
では、どうしてその両校が外れたのか。仮説がいい線をついているとすれば、考えられる可能性は2つです。

1.慶應閥が力を失い始めた?

まず考えられるのが、単純に慶應閥が力を失い始めたという可能性です。

この可能性があてはまるとすれば、同校をメインとする人物が肖像に選ばれなかったことは納得できます。

ただ、慶應は日本でもトップクラスの官僚排出数を誇っているため、たった20年でそれほど力を失ったのか、という問題については検討の余地があります。

そのため、力を失ったよりは「慶應閥が何かに配慮した」と考えることもできます。

2.意図的に「学閥の匂い」を見せないようにした?

個人的には、この「学閥臭」を消すためにあえて慶應を連想させる人物を描かないようにしたという見方のほうがしっくりくる気がします。

やはり慶應の力がそれほど衰えているとは考えにくく、政府がそうした慶應閥を表向きに見せていくことを避けようとしたと考えるべきではないでしょうか。

そう考えると、あえて多彩な大学に関連する人物を選出したことに納得できます。

これが東大や早稲田では、学閥のイメージに直結してしまう恐れがあるためです。

また、そうだとすれば慶應にも関連がある北里柴三郎が選出されたことにも合点が行きます。

つまり、政府関係者が「今回は慶應を大っぴらにプッシュしないけど、その代わりに慶應に関連のある北里を選出するから手を打とう」と両学閥に働きかけた可能性を考えられます。

政治の世界では面子が非常に重要になってくるので、こうしたやり取りがあったかどうかはともかく、場面としては想像しやすいです。

4.まとめ

ここまで、紙幣刷新のニュースを受けて各紙幣に誰が描かれる予定なのか、またその描かれている人物たちに共通点があるのか、という点について考えてきました。

記事後半はやや個人的な妄想に終始してしまいましたが、あながち大きく的を外してもいないような気はします。

もっとも、新紙幣の発行は習慣通りならば2024年ごろになると予想できますので、しばらくは現紙幣が現役で活躍することになりますね。

それまでには、なるべく多くの諭吉先生を拝みたいところです。

【出典】

  • 時事通信社「渋沢栄一、津田梅子がお目見えへ=20年ぶり紙幣刷新検討-政府」https://www.jiji.com/jc/article?k=2019040900067&g=eco
  • コトバンク「渋沢栄一」https://kotobank.jp/word/%E6%B8%8B%E6%B2%A2%E6%A0%84%E4%B8%80-18438
  • コトバンク「津田梅子」https://kotobank.jp/word/%E6%B4%A5%E7%94%B0%E6%A2%85%E5%AD%90-99247
  • コトバンク「北里柴三郎」https://kotobank.jp/word/%E5%8C%97%E9%87%8C%E6%9F%B4%E4%B8%89%E9%83%8E-50877

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