第5位:もののけ姫
画像出典:CinemaCafe
第5位は、宮崎駿監督によるオリジナルアニメ映画『もののけ姫』です。
得点は以下の通り。
- 売り上げ(関連作品群含):☆☆☆☆
- 社会現象度:☆☆☆☆
- 業界人からの評価:☆☆☆☆
- 国際的評価:☆☆☆☆
- 後世への影響度:☆☆☆
- 個人的な好み:☆☆☆
合計…22点
主な選出理由:極めて複雑な背景を描きつつも売り上げと芸術性を両立させた
『もののけ姫』という作品は、極めて複雑な背景をもち合わせている映画としても知られています。
日本史を専攻していると理解できるようになるのですが、日本の中世における「ケガレ」の概念が盛り込まれており、学者をも唸らせるような出来になっています。
そのため、ジブリ作品の中では極めて高度な芸術性を発揮しており、深く理解できれば作りこみの素晴らしさに気づくことができるでしょう。
しかし、本作が真に優れているところはそうした「芸術性」と「売り上げ」を両立している点です。
実際、公開からしばらくは日本映画の歴代興行収入ランキングでトップに躍り出ています。
通常これだけ芸術性を大切にした映画が大衆に評価されるという事はないのですが、流石は宮崎駿といったところです。
ただ、映画の出来に対して順位が抑えめな理由は「芸術として完成されすぎてアニメ史の流れから独立していること」が挙げられます。
素晴らしい作品なのは言うまでもないのですが、誰一人として宮崎駿の域にたどり着くことができないためにフォロワーが生まれませんでした。
そう考えると、「アニメ史に与えた影響力」という点で他作品に比べると一歩劣るところがあるのかもしれません。
第4位:千と千尋の神隠し
第4位は、前と同じく宮崎駿監督によるオリジナルアニメ映画『千と千尋の神隠し』です。
得点は以下の通り。
- 売り上げ(関連作品群含):☆☆☆☆
- 社会現象度:☆☆☆☆
- 業界人からの評価:☆☆☆☆
- 国際的評価:☆☆☆☆☆
- 後世への影響度:☆☆☆
- 個人的な好み:☆☆☆☆
合計…24点
主な選出理由:海外で日本アニメ史上最高の評価を受けている
5位で紹介したもののけ姫に続いて、ふたたびジブリ作品の登場です。
本作はもののけ姫に比べると芸術性はやや控えめになっていますが、そのぶんいくらか分かりやすい物語に仕上がっています。
それも影響したのか興行収入はもののけ姫を上回る歴代最高を記録し、今でもジブリ作品の最高売り上げを誇っている傑作です。
また、国内で流行したのは言うまでもないですが、特筆すべきは海外における評価の高さが挙げられます。
本作は日本アニメとして史上唯一アカデミー賞長編アニメ賞を受賞しており、海外の評価では日本一のアニメという太鼓判が押されています。
ただ、それでもベスト3に入らない要因としては、やはり宮崎駿の世界観は他者にまねできないため後世への影響力という点を考慮した結果です。
本ランキングは平成アニメ史に影響を与えたかどうかの判断や個人的な好みが入っているため、客観的とは言い切れない部分もあります。
例えばジブリ作品がもっとランクインしてもいいのに…と感じる方も多いかもしれませんが、そこは好みを色濃く反映した結果です。申し訳ございません。
第3位:「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズ
画像出典:NHKアニメワールド
第3位は、谷川流の同名ライトノベルを原作とする「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズです。
得点は以下の通り。
- 売り上げ(関連作品群含):☆☆☆☆
- 社会現象度:☆☆☆☆
- 業界人からの評価:☆☆☆☆
- 国際的評価:☆☆☆
- 後世への影響度:☆☆☆☆☆
- 個人的な好み:☆☆☆☆☆
合計…25点
主な選出理由:「萌え」を一般層に浸透させたことはあまりにも大きい
ハルヒをジブリ作品より上にもってくるという、いろんな方から怒られそうなランキングになってしまいました…。
ただ、筆者としてはそれだけハルヒのもたらした社会的影響力・アニメ史的な位置づけを重視しています。
実際、一部のオタクが楽しむだけだった「萌え」という文化を、一般層のレベルにまで引き下げたことはあまりにも大きい影響です。
我々が現代で見かける萌え文化にはほぼすべて本作の影響が確認できることを考えれば、その効果を実感していただけるでしょう。
また、「インターネット」と「実社会」を結びつけたのも本作の偉大な功績です。
ハルヒ以前に流行していた2ちゃんねるなどのネット文化は、ある種現実の世界から独立して存在していたようなところがあります。
そういった時期に登場したハルヒや電車男などの文化は、ネットと実社会を結びつけたという観点で考えるとアニメ史のみならず現代史の流れを語る上でも欠かせない存在でしょう。
少々大げさな表現になってしまうかもしれませんが、ハルヒが現代ネット社会の礎になっているとさえ考えられます。
あ、読んでいただく中でお察しの方も多いと思いますが、当然ながら筆者はハルヒ大好きです。そういう意味でのバイアスはもちろんありますね。
第2位:「美少女戦士セーラームーン」シリーズ
第2位は、武内直子の同名漫画を原作とする「美少女戦士セーラームーン」シリーズです。
得点は以下の通り。
- 売り上げ(関連作品群含):☆☆☆☆☆
- 社会現象度:☆☆☆☆☆
- 業界人からの評価:☆☆☆☆
- 国際的評価:☆☆☆☆☆
- 後世への影響度:☆☆☆☆☆
- 個人的な好み:☆☆☆☆
合計…28点
主な選出理由:世界中のファンから絶大な支持を受け続けている
正直、次に紹介する1位の作品と本作のどちらを1位にするかは非常に悩まされました。
どちらも平成という時代を象徴する作品であり、世界中の広い世代から多大なる支持を集めているためです。
本作の選出理由は今さら言うまでもないかもしれませんが、世界中の人々に対する普及度合いが尋常ではないことが挙げられます。
本作は日本のみならず、海外で『ドラゴンボール』などの歴史的作品と同列以上に扱われています。
女性のアニメファンからは特に支持が厚く、海外の女性がセーラー戦士のコスプレをしている光景を頻繁に見かけますね。
また、日本の女児向けアニメに与えた影響も見逃せません。
本作公開以後に流行した「プリキュア」シリーズや「アイカツ」シリーズは、すべて本作の流行に影響された作品であるといえます。
さらに、平成という期間を通じて愛され続けていることも上位に位置づけた大きな理由です。
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では、これだけ絶賛しながらなぜ1位にランクインさせなかったのか。
その理由は、ハッキリ言って完全に個人的な好みになってしまいます(笑)
実際、1位の作品に比べると本作のほうが「海外知名度」という点には秀でているのも事実です。
しかし、1位の作品は日本のアニメ史に与えた影響が凄まじく、その点では今作が一歩劣るところがあります。
つまり、客観的な評価ではほとんど優劣が付けられないのです。
では決め手に何が挙がるか。それは簡単で、筆者にとってより思い入れの強いアニメを選ぶしかありません。
というわけで、筆者が選ぶ平成最高のアニメはコチラです!
第1位:「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ
画像出典:animatetimes
第1位は、庵野秀明が監督を務めたオリジナルアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズです。
得点は以下の通り。
- 売り上げ(関連作品群含):☆☆☆☆☆
- 社会現象度:☆☆☆☆☆
- 業界人からの評価:☆☆☆☆☆
- 国際的評価:☆☆☆☆
- 後世への影響度:☆☆☆☆☆
- 個人的な好み:☆☆☆☆☆
合計…29点
主な選出理由:総合的に考えて「平成を代表するアニメ」と感じた
はい、記念すべき第1位は「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズです。
もう今さら選出の理由を述べる必要はないと思います。売り上げや社会現象度、業界人の評価や後世への影響度で満点をつけているのが答えですね。
ただ、最後に決め手になったのは個人的な「平成を代表するアニメ像」に該当したからという理由に他なりません。
もちろん、この判断はかなり主観が入りまくりです。
筆者は本放送時に鑑賞できたわけではありませんが、小学生の頃から何度もDVDやBDで本作を見なおしてきました。
そのため、作品への思い入れは人一倍のものがあります。とはいえ、熱心なマニアには及びませんが…。
また、ご存知の方も多いと思いますが、本作は完璧な作品とは程遠いです。
滅茶苦茶なアニメ終盤・訳の分からない旧劇場版・全く次回予告と異なるものが出てくる新劇場版などなど…。
しかし、それらの欠点を打ち消すどころか、欠点さえもある種の美徳となってしまうほど魅力的な作品です。
この印象は、筆者が常々作品評論で指摘している「完璧すぎないものが至高」という好みなのでしょう。
つまり、本作はまさに登場するヒロイン・アスカの美点と欠点を映し出しているような作品です。
怪文みたいになってしまいましたが、そうとしか言いようがありません。
ついつい不完全なものを好きになってしまうのは悪い癖です。でもやめられない。
3.まとめ
今回の記事では、平成の終了に伴って平成年間のアニメ界を評し、同時に作品をランク付けしてみました。
文中で何度も断っていますが、このランキングはあくまで筆者の独断と偏見です。
そのため、「あの作品が入ってない」という意見や「作品の順位が不当だ」という意見も当然ながら感じることになると思います。
それでも、平成のアニメ界をいちファンが評した結果である、と受け入れていただけると幸いです。
ただし、ランキングの是非については読者の皆様のご意見も頂戴してみたいですね。
あまり誹謗中傷のようになってしまうと悲しいですが、正当な異論や反論は随時募集しています。
本当はこれほどの分量を投じる予定ではなかったのですが、つい熱が入ってしまいました(笑)。
令和アニメ界の行く末を案じつつ、記事を締めたいと思います。
最後までご購読ありがとうございました。
平成アニメランキングまとめ
第10位 頭文字D
第9位 スレイヤーズ
第8位 君の名は。
第7位 けいおん
第6位 攻殻機動隊
第5位 もののけ姫
第4位 千と千尋の神隠し
第3位 涼宮ハルヒの憂鬱
第2位 美少女戦士セーラームーン
第1位 新世紀エヴァンゲリオン