「空の境界」とは?時系列の順番からアニメ映画・原作小説の見所などを徹底解説!

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突然ですが、最近の型月作品には、少し足りないものがあるような気がします。

それは、アニメの型月作品を製作しているufotableがいつも起用していた歌手「kalafina」が、活動休止を発表したために、彼女たちの主題歌が起用されていないことが原因だと思うのです。

kalafina 写真画像出典:https://spice.eplus.jp/articles/63603

もちろん、いま主題歌を担当しているAimerも歌手としては非常に好きな部類に入るのですが、型月作品の世界観にはやはりkalafinaが合っていたかな、というのが正直な印象です。

そのkalafinaがはじめて型月作品の主題歌に起用され、同時にufotableがはじめて型月作品のアニメ化を行なったのが、映画「空の境界」です。

この作品で力を示したufotableは、その後もFateシリーズなどで変わらぬクオリティを発揮し、現在の地位を獲得するに至りました。

つまり、空の境界なくして現在のFateはない、ともいうことができます。

そのため、今回はそんな「空の境界」シリーズを紹介していきたいと思います。

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1.Fateと同じtype-moonが生み出した「空の境界」

 

空の境界 メインビジュアル
画像出典:アニプレックス

もともと、型月シリーズのシナリオライター奈須きのこ氏が、1998年よりweb小説として掲載し、その後同人誌として発刊した小説空の境界が原作です。

この時は、全7章のうち1-5章が収録されていました。ファンからは、省略して「らっきょ」と呼ばれることも。

その後、講談社ノベルズより実際に商業誌として発行され、全7章の長編小説としてリリースされました。

小説のジャンルは「長編怪奇小説」で、作品全体を暗いムードが漂うのが特徴です。

また、型月作品全体にみられる魔術という根幹の設定は共通しており、登場人物や設定にも他作品との関連が多くみられます。

この小説が好評を博し、2007年からufotableが製作で全7章を映画化することが決定しました。

公開日やタイトルなどの基本情報は以下の通りです。

制作:ufotable
配給:アニプレックス
音楽:梶浦由記
主題歌:kalafina公開日
第一章 俯瞰風景:2007年12月1日
第二章 殺人考察(前):2007年12月29日
第三章 痛覚残留:2008年2月9日
第四章 伽藍の洞:2008年5月24日
第五章 矛盾螺旋:2008年8月16日
第六章 忘却録音:2008年12月20日
第七章 殺人考察(後):2009年8月8日
終章  空の境界:2010年12月18日
未来福音(外伝):2013年9月28日

結果的に、この映画は商業的にも成功をおさめ、同時に従来のファンをも満足させる「傑作」でした。

しかし、映画化決定当初、この成功を予見できた人物は、型月ファンでさえもそう多くはなかったのです。

2.「空の境界」映画化までの歴史

ここまでの経過だけをみれば、実に順調なアニメ化の曲線といえます。

しかし、それは現在からみればの話で、当時としては「狂気」ともいえる決断だったのです。

ここからは、その理由について解説していきます。

1.「長編怪奇小説」としての空の境界

まず、「空の境界」という作品は、端的に言って「非常に難解」な内容で構成されています。

怪奇小説という設定上、読者にはわからない複雑な専門用語や設定が飛び交い、内容を解するのが非常に困難です。

もちろん、その一方で魅力的な作品であることは確かです。型月らしく良い意味で中二心をくすぐる設定やストーリーと、空の境界独特のダークな雰囲気がマッチして、味のある作品に仕上がっていました。

しかしながら、難解な内容に加え、きのこ氏本人も認めているように、正直かなりの悪文で構成されています。

それが作品の怪奇さに拍車をかけ、不気味な雰囲気を形成することには成功しているのですが、一方でかなり読みずらいです。

正直、小説にあまり親しまない方が小説版に手を出すと、確実に後悔するので、まずは映画版から入ることをおすすめします。

こうした背景から、空の境界は「通好み」な作品として知られていました。

そのため、シリーズ全7作を映画化するという決断に対しては、ファンであっても懐疑的な見方がなされたのです。

2.零細アニメ制作会社であったufotable

ufotable ロゴ
画像出典:ufotable公式

現在では型月作品のほとんどを担当し、質の高い作画や演出でその名を知られるufotable。

しかし、「空の境界」シリーズを映画化するまでは、地方のいち零細アニメ制作会社でしかなかったのです。

サンライズやジブリのようにその名を知られている制作会社の裏には、今でもそうした零細の会社は数多く存在します。

もちろん、アニメ制作は何重にも工程があり、そうした会社が制作に欠かせない存在であることは事実です。

しかし、ただでさえ難解な作品である上に、全7章を一気に映画化するというのですから、それは疑問を投げかけられても致し方ないように思います。

正直、おそらく空の境界が商業的に失敗していれば、会社の規模的に考えて厳しい経営を強いられていたのではないかとも思えます。

つまり、まさしく社運をかけたアニメ化プロジェクトだったのです。

そして、その結果はご存知の通り商業的に成功を収め、現在の地位を確立するに至ります。

「狂気」とも思えた決断は、最高の結果につながったのです。

3.「空の境界」の時系列

両儀式 写真
画像出典:https://abema.tv/channels/abema-anime-2/slots/CxN6qPoU7fy49d

前項で、本作が複雑な作品であることはすでに述べました。

それをさらに助長しているのが、作品の時系列と章立てが異なる、という点です。

まず、先ほどの公開順をもう一度見てみましょう。

第一章 俯瞰風景:2007年12月1日
第二章 殺人考察(前):2007年12月29日
第三章 痛覚残留:2008年2月9日
第四章 伽藍の洞:2008年5月24日
第五章 矛盾螺旋:2008年8月16日
第六章 忘却録音:2008年12月20日
第七章 殺人考察(後):2009年8月8日
終章  空の境界:2010年12月18日
未来福音(外伝):2013年9月28日
つづけて、作中の時系列順にこれを並べ替えてみましょう

古↑

第二章 殺人考察(前)
第四章 伽藍の洞
第三章 痛覚残留
第一章 俯瞰風景
第五章 矛盾螺旋
第六章 忘却録音
第七章 殺人考察(後)
終章  空の境界
未来福音(外伝)

新↓

う~ん、フクザツですねえ
このように、一~四章は完全に時系列がシャッフルされた状態で製作されています。
ちなみに、これは原作も全く同様です。

時系列順に見るべき?章立て通り見るべき?

こうなると、みなさんはこういった疑問を抱くのではないかと思います。

時系列順に観るべき?章立て通り観るべき?と。

結論から言えば、章立て通り観ることを推奨します。

やはり、原作から映画まで一貫してシャッフルされた章立てで構成されているため、それが公式で推奨された順番なのです。

クリエイターはそこまで計算に入れてシナリオを構成しているので、そういった見方をしたほうが作中に流れる複雑怪奇な雰囲気を堪能することができます。

さらに、伏線が回収されてパズルのピースがハマっていく感覚も味わえるので、それを推奨しています。

ただし、もちろん楽しみ方は人それぞれなので、時系列通り観ても問題はありません。

4.「空の境界」の作品としての見どころ

これは文章で伝えても説得力がなさそうなので、まずは公式の予告映像をご覧ください。

なお、他の章の予告やあらすじなどについては、劇場版「空の境界」公式サイトより情報が得られるので、ご活用ください。

また、予告を観ていただければわかると思いますが、個人的に本作最大の魅力は「動」と「静」のコントラストだと考えています。

戦闘、つまり「動」の場面になれば、キャラの動きや演出で繰り広げられる戦闘描写は非常にハイレベルなもので、アクションアニメとしても優秀な作品です。

一方で、それ以外の「静」の場面になれば、背景やキャラの書き込みが素晴らしく、そこにハイセンスなセリフやBGMが加わることで、物々しくて儚くもどこか美しい世界観が見事に表現されています。

正直、ストーリーや設定の難解さはほとんど変わっていないのですが、たとえそれがよく理解できていなくても、上記の点は十二分に楽しむことができます。

アニメが好きで、少し現実離れしたような世界観に魅力を感じる方は、かならずハマると思います!ぜひ、まずは第一章だけでも見てみてください!

5.まとめ

ここまで、魅力的な長編怪奇物語「空の境界」について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

ここからは完全に余談ですが、個人的にはやはり「矛盾螺旋」が一番好きですね。にわかっぽいですがシンプルに一番惹かれた作品でした。

あと、空の境界シリーズは、型月作品には珍しく作品として完結しています。

そのため、主人公と結ばれるヒロインは既に確定しています。まあ、はじめからヒロイン決定戦は出来レースでしたけど。

やっぱりいいですよね、式

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