映画Fate第1章 [Heaven‘s Feel]の感想と考察(ネタバレ有)桜と士郎の出会いが至高

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2.映画Fate第1章 [Heaven‘s Feel]の考察(ネタバレ有)

1.桜と士郎の出会いを描く本当の意味

さて、先ほど感想の項で「桜と士郎の出会いを描いたことが素晴らしい」と述べましたが、このシーンが存在する意味は何もファンサービスだけではありません。

もちろん、そういった側面もないことはないと思いますが。

つまり、あのシーンの本当の存在理由とは、桜と士郎に対して視聴者をより感情移入させることではないかと考えています。

私が考える原作のHFルートの弱点は2点あり、「冗長なシーンが少なくなく、ルートが間延びしている」という点と「桜と士郎が思っているほど彼らの心理に同意できない」という2点です。

この弱点のうち、前者に関しては映画の構成を工夫することによって解消されています。

そして後者に関しては、あのシーンの存在によってそれが解消されていると思います。

原作では、出会いがCGやシーンという形ではなくテキスト上でわずかに触れられるのみです。

そのため、人によっては「どうして桜(士郎)はあれほど必死になっているのか」という点に共感できないという問題があります。

この彼らの心情を理解できなければ、ハッキリ言ってHFルートは茶番になってしまいます。

そのため、このシーンは作品の根幹となる背景であり、本来であれば原作の時点でもう少し強調されていなければならないのです。

特に士郎に関して言えば、「万人ではなく一人を救うために万人を犠牲にする」という他ルートでは考えられない行動に出て、人間としてあるべき姿を取り戻すというのがメタファーとして存在します。

ここの動機が理解できなければ「なんで士郎は信念をねじ曲げてまで桜を助けるの?」となってしまいます。

ここまでの内容で、二人の出会いを描く本当の理由がなんとなくでも伝わっていれば幸いです。

2.どうして言峰綺礼は麻婆豆腐を食べていたのか

綺礼 麻婆豆腐
画像出典:https://news.walkerplus.com/article/173910/image1025071.html

物語中盤の一シーンで、士郎と綺礼が出会った際に綺礼が食べていたのが麻婆豆腐でした。

しかし、そもそもどうしてあのいかにもシリアスなシーンで麻婆豆腐を食べていたのか、気になった方がいらっしゃると思います。

知っている方は知っていると思いますが、結論から言ってしまえば

「好きだから」ただそれだけです。

原作ではもっとコメディ調になっており、綺礼が「食うかーーーーー?」と士郎に話しかけると「食うかーーーーー!」と返事していたのを覚えている方もいらっしゃると思います。

全体を通じて暗くシリアスな雰囲気に満ちているHFルートの中で数少ないコメディシーンでもあり、その後の二次創作などでもたびたびネタにされています。

こうした背景があったので、映画でもスタッフがファンサービスとしてこのシーンを採用したのでしょう。

流石にコメディ成分はいくらか抑えめになっていましたが、それでも十分浮いていました。(笑)

恐らくスタッフもどうやって上手にそれとなく麻婆豆腐を食べさせるか悩んだのではないかと思います。

綺礼はどんな麻婆豆腐でも好きかというとそうではなく、映画でも訪れていた中華料理屋「泰山」の激辛麻婆豆腐だけが好きです。
綺礼は八極拳の心得もあるので、もともと中華との相性はいいのかもしれません。
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3.まとめ

ここまで『Fate/stay night [Heaven‘s Feel]Ⅰ.presage flower』(Fate第一章)の感想と考察を書いてきましたが、いかがだったでしょうか。

二章を観てから一章の考察を書くということで随分順番が前後してしまいましたが、改めて見直すとさまざまな発見があり面白かったです。

既に一章を観たという方でまだ二章を観ていない方は、物語を思い返すという意味で観てみるのもいいかもしれません。

なお、二章に関しては下記の記事で解説していますので、視聴済みの方はぜひ読んでみてください。

私はたぶん三章公開前にまとめて見返すことになると思いますので、それまで楽しみに待っていることにします。

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