本日は現在公開中の映画『コードギアス 復活のルルーシュ』について、個人的な感想を書いていきたいと思います。
TVアニメ時代から実に10年近くギアスシリーズを楽しんできたので、ようやく訪れた完結編には相当期待していました。
ただ、ハッピーエンドではないもののR2でも綺麗に完結していたため、「蛇足にならないだろうか」という思いがあったのも事実です。
では、実際のところそのあたりがどうだったのかを見ていきましょう。
なお、この記事には映画およびギアスシリーズ全般に該当するネタバレが存在しますのでご注意ください。
1.『コードギアス 復活のルルーシュ』のあらすじ
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帝国を混乱の渦に巻き込んだ大戦争の終結後、世は太平の時を享受していました。
しかし、ルルーシュの妹であるナナリーが難民キャンプに向かった際、とある事件が発生してしまいます。
何者かの強襲に遭遇した結果、ナナリーの警護役として同行していた枢木スザクが敗北してしまいました。
ナイトメア戦において無類の強さを誇っていた彼の敗北は、ブリタニア中に大きな衝撃を与えることになります。
その後、すぐさまスザクおよびナナリー救出を目的にジルクスタン王国へと向かった救出隊一行は、異国で行方不明になっていたC.Cの姿を目撃しました。
突如として現れたC.C。そして、彼女の傍らにいたのはかつてブリタニア中を恐怖のどん底に叩き落した「あの男」だったのです…。
2.『コードギアス 復活のルルーシュ』の感想
さて、言うまでもないことですが本作の見どころは「ルルーシュが復活するのかどうか」です。
ルルーシュはR2のラストで死亡したことが示唆されていたため、ファンとしてはその部分に関心が集まります。
もっとも、結果的に「タイトルでネタバレしてるじゃん!」ということになるわけですが、どのように復活するのか、復活したら旧知の人々とどう接するのか、その点は気がかりでした。
そのため、このあたりを中心に感想を書いていきます。
1.「コード」と「ギアス」を両方保有するという10年越しのタイトル回収
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結論から言えば、ルルーシュは生きていたものの心は茫然自失といった有様であり、ただルルーシュの形をした赤子がそこにいるようにさえ感じられました。
そのため、C.Cは彼の全ての世話をしながら復活の手がかりを探していたのです。
途中何度も危機に見舞われながらも、最終的にルルーシュは心を取り戻し完全復活しました。
ここで注目したいのは、復活したルルーシュは両目にギアスを備えており、かつギアスの紋章が体に刻まれていたという点です。
これは、ルルーシュがコード継承者になったことを証明しています。
こうして、ルルーシュは「コード」と「ギアス」を所有することになったのです。
完結編になってついに回収されたタイトルに、ファンとしては大盛り上がりでした。
このように、本作は蛇足的な展開に終始することなく、シリーズの完結編として魅力的なシーンを数多くそろえています。
2.ヒロインレースはC.Cの圧倒的勝利で幕を閉じる
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本シリーズは頭脳戦の要素やロボアニメとしての要素などが人気の大きな要因と考えられますが、オタクとしてはルルーシュをめぐる女性関係からも目が離せませんでした。
まず、おそらくルルーシュの初恋はユフィではないかと思います。
しかし、ユフィはアニメ一期でルルーシュがギアスを暴発させてしまったことで殺人鬼と化してしまい、その想いが果たされることはありませんでした。
その後、ルルーシュに想いを寄せていると思われる女性は、主に三人に絞られます。
まずはC.C、そしてもう一人はナイトメア「紅蓮」のパイロットであるカレン、最後はルルーシュの同級生シャーリーでした。
ただし、R2ではルルーシュが特定の人物と結ばれることがなかったために、「ルルーシュと結ばれるのは誰なのか」というヒロイン論争が巻き起こされたのです。
そして、結論から言えば今作でC.Cの圧倒的勝利が確定しました。
その証拠に、映画のラストでC.Cとルルーシュが旅に出たことが明かされ、他の二人とは別れのシーンが描かれています。
カレンはルルーシュとキスを交わしたのちに別れのあいさつをして、シャーリーはルルーシュから最後に電話を受け取り、涙を流したのが別れのシーンでした。
つまり、彼らの最終的な関係を整理すると
C.Cは伴侶、カレンは戦友、シャーリーは親友
となるのでしょうか。
個人的にはC.Cがルルーシュにふさわしいと考えていたので納得のいく結果ではありました。
あとはこの三人で言えば圧倒的にC.C推しだったので、本作では準主役的な描かれ方をしていて大満足でした。
笑顔のC.Cは控えめに言って破壊力抜群です。ぜひ劇場で観てみてください。
3.出来が良かっただけに、やはりアニメ1クール分は尺が欲しかった…
本作は、シリーズの完結編として劇場の2時間で考えられる展開としては最高級の作品にまとめあげられていました。
限られた尺で伏線を拾いつつ映画単体としても見せ場を作り、さらにはシリーズの締めにふさわしいラストが用意されています。
ただ、やはり限られた尺で作っていることの弊害がないわけではありません。
特に、復活したルルーシュがアッサリと受け入れられる様子には少し違和感を覚えました。
R2の最後、世界中に恨まれた状態で「望まれた死」を受け入れたルルーシュという人物に対する周囲の視線は、もう少し厳しいくらいが妥当ではないかと思います。
もっとも、限られた尺で人間の感情が変化していく様子を描くというのは難しいのも事実ですし、他に削るべき無駄なシーンがあったわけでもありません。
そのため、そのあたりが省略されてしまったのは仕方ないと考えることもできます。
そして、極めつけは製作陣も尺不足は実感していたようで、監督の谷口氏が「本来なら1クール以上欲しいけど、予算や制作の都合的に劇場版のクオリティを維持して1クール以上放送するのは無理だ」というようなコメントを残していた記憶があります。
実際、昨今の深夜アニメは「薄利多売」の様相を呈しており、一つの作品に力を入れるよりも大量に作品を作ったうえで当たれば儲けものといったスタンスで製作されることも少なくありません。
したがって、本作のようにガッツリと腰を据えて製作しなければならない作品の連続放送は、時代柄あまり需要が見込めないのかもしれません。
3.まとめ
ここまで、『コードギアス 復活のルルーシュ』の感想を書いてきました。
本作は間違いなく佳作に分類されるクオリティを誇っており、ギアスシリーズを視聴済みであれば見て損をすることはないと思います。
ただ、1期と2期ともに視聴済みでなければ話の内容がよくわからないと思いますので、初見の方には少し厳しいかもしれません。
もっとも、TVアニメ版はアニメ史上に残る傑作に仕上がっていますので、まずは1期だけでも視聴してみることをオススメします。
絵柄は特徴的ですが、すぐに慣れてくるのでご心配なく!