1.フロントスピーカー
これは、皆さんがよく目にするであろう形のスピーカーです。
これはもちろんホームシアターに限った話ではなく、音源を再生する手段としては最もポピュラーな機器です。
皆さんも一度は目にしたことがあるでしょう。音源を聞くとき、我々リスナーの正面に位置するスピーカーであることが名前の由来です。
基本的に、世間に出回っているほとんどのスピーカーはこのタイプです。
ただし、スピーカーにはアクティブスピーカーとパッシブスピーカーの二種類があり、ホームシアターで用いるべきスピーカーはパッシブスピーカーです。
そもそも、この二種類の違いはなんなのでしょうか。ざっくりとまとめると以下の通りです。
アクティブスピーカー…スピーカーにアンプが内蔵されている
パッシブスピーカー…スピーカーにアンプが内蔵されていない
2.リアスピーカー
リアスピーカーは、文字通りリスナーの背後にあるスピーカーを指します。ただ、モノとしてはフロントスピーカーと全く同じ構造をしています。つまり、置く場所が変わると、名前が変わるのです。
機能としては、リスナーの背後から音を鳴らすことによって、サラウンド効果を発揮させます。
サラウンド効果とは、ざっくりいえば後ろと前のスピーカーからだけしか音が鳴っていないにもかかわらず、まるで360度で音が鳴っているように感じさせてくれる機能のことです。
ここまで説明したスピーカーはフロントとリアのみです。つまり、本来なら音は直線的にしか聞こえないことになります。
しかし、5.1chサラウンドシステムに対応した音源を用いることで、たった四本のスピーカーで自然な音が出せるのです。
自然界では音は360度からなるわけですから、よりリアルな音を楽しむことができるわけです。
そして、ここまで述べた計4本のスピーカーが、ホームシアターの音に関しては中心的な役割を果たします。あとの2本は、基本的にはこの4本のスピーカーの働きを補助するのが役目です。
3.センタースピーカー
センタースピーカーは、2本のフロントスピーカーの中心に設置するスピーカーです。名前の由来もそのままです。
画像出典:https://biccamera.rakuten.co.jp/item/4951035062913
機能としては、設置することで主に映画やドラマなどのセリフの聞き取りやすさを向上させます。
通常、フロントスピーカーはモニターやスクリーンの左右にそれぞれ配置されます。
しかし、大きなモニターやスクリーンを用いると、2本のフロントスピーカーの間隔が空きすぎてしまうことがあります。
そうなると、非常にセリフが聞き取りづらくなってしまうのです。そういった場面では、センタースピーカーを設置することをおすすめします。
4.サブウーファー
サブウーファーは、フロントスピーカーではカバーできない低い周波数の音(つまり重低音)を、フロントスピーカーを補助する形で鳴らすことができるスピーカーです。
名前の由来は、フロントスピーカーに元々搭載されているウーファーという重低音担当のユニットが鳴らせない音を補助する、サブ的な役割をこなすためです。
画像出典:Amazon
映画館に行くと、爆撃や地鳴りのシーンがものすごく大迫力に感じませんか?
もちろん単純に音量が大きいためでもあるのですが、お腹にズシンとくるような重低音を再生し補助しているのが、このサブウーファーなのです。
サブウーファーにも、先ほどフロントスピーカーの頁で述べたようにパッシブとアクティブがあります。
「なるほど、じゃあサブウーファーもパッシブを買えばいいんですね!」
と思ったあなた。よく記事を読んでいただけていてうれしいですが、この場合はアクティブを買うことを強くお勧めします。
その理由はいたって単純です。まず、そもそもパッシブ型のサブウーファーは、もうほとんど売っていません。
サブウーファーは、先ほども言ったように重低音が専門です。しかしながら、重低音を出すには非常に多くのエネルギー、つまり電力を必要とします。
これは述べていませんでしたが、パッシブ型スピーカーはアンプに接続することで、アンプから電力供給を受けて音を鳴らします。
ということは、アンプは他の数多くのスピーカーやアンプ自身に電力を供給する必要があります。つまり、アンプがサブウーファーに大きな電力を送ることは、技術的にすごく難しいのです。
さらに、ほとんどのアクティブ型サブウーファーは、なんとパッシブ型としても利用できます。これでは、わざわざパッシブ型を選ぶ意味がありませんよね。
3.おわりに
前編では、ホームシアターの基本的な概念について知ってもらうことを目標に、記事を書きました。
「これさえ読めばとりあえず大丈夫」という記事を目指したので、少し内容が教科書的で面白みに欠けてしまっているきらいがあります。分かり易さ重視ということで、今回はご了承ください。
また、オーディオに詳しい方は、「色々とざっくりしすぎでしょう」と思われてしかるべきだと思います。これも上記と同様の理由です。申し訳ございません。
さて、後編ではホームシアターに格安でも絶対に欠かせない要素と、機器をとにかく安く買う方法を紹介します。
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