格安中華イヤホン「KZ ZST PRO」を辛口レビュー!KZの中でもおすすめです!

音楽

先日、筆者はとある格安中華イヤホンを購入しました。

そのイヤホンとは、格安中華イヤホン界では著名なメーカー「KZ」社が発売している「ZST」というモデルです。

もともと同社が発売している「ZS5」という上位機種を使用していたのですが、そちらの機種が不調になってしまったため購入を決意したのです。

KZ社のイヤホンが凄まじいコスパを誇っていることは有名な話で、単純な音質面だけであれば実売4000円のZS5は3万円台のイヤホンとも十分勝負できる音です。

そのことは身をもって体感していたので、価格的に一段劣る下位機種のZSTが「どこまでやれるのか」ということは常々気になっていました。

それでは、さっそくレビューしていきましょう。

1.新型KZ ZST PROの基本情報・スペック

画像出典:Amazon

まず、ZSTの基本スペックを紹介します。

■モデルナンバー KZ ZSTカラフル/PRO
■ドライバー 1DD+1BA(ハイブリッドイヤホン)■感度106db
■インピーダンス10Ω■周波数特性20khz-40000hz
■コード長1.2メートル

出典:【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ

以上がスペックです。

実売価格は約2000円ほどで、筆者はAmazonのタイムセール特価で1350円にて購入しました。

正直、中学生の頃からイヤホンに凝っていた筆者からすると「1500円でハイブリッドイヤホンが買える」というのはいまだに信じられません。

実際、たった数年前までどれだけ安くてもハイブリッドイヤホンを買うには数万円は必要でした。

それが1500円足らずで買えるとは、いい時代になったものです。(ハイブリッドイヤホンという用語がわからない方はこちらの記事をご覧ください)

現行のモデルはこれまでのものと違うため、レビューに注意

また、この「ZST」という機種は2017年から発売されていましたが、2018年の末ごろに大幅なモデルチェンジがあったようです。

旧型と新型では音が大きく異なるようなので、レビュー記事をご覧になる際は2019年以降に書かれた記事を読まなければあまり意味がありません。

モデルチェンジの詳細などは筆者がいつも参考にしている「【まとめ】中華イヤホン&ヘッドホンとDAPレビュー辛口のオススメ」というサイトの記事に書いてあります。イヤホンレビューサイトにありがちな「忖度記事」がないので、中華ホンの購入を考えている方にはオススメのサイトです。

2.新型KZ ZST PROの音質・使用感

さて、ここからはいよいよ実際にイヤホンで音楽を聴いてみた際の音質や使用感などをレビューしていきたいと思います。

また、比較用に以前ZSTと同じような値段で購入したTDKの「TH-XEC300」という国産イヤホンを使用します。

1.外観の高級感は◎

まず、ZSTの外観はとても1500円程度のイヤホンには見えないほど高級感を感じられます。

筆者は紫のものを購入したのですが、外観だけなら実売5万円以上のイヤホンとそう大差ありません。

この点は音質に直接関係こそありませんが、単純にアイテムとしてカッコいいか・ダサいかは意外と重要だと思います。

一方、XEC300はいかにも安物という感じが外観に現れてしまっています。

写真だけではなかなか伝わりづらいかもしれませんが、手触りや質感の部分も大きく見劣りしていますね。

2.付属品も悪くないが、イヤーピースとケーブルは交換推奨

ZSTにはイヤーピース三種・イヤホンケーブルが付属しています。

ケーブルは交換式で、イヤーピースはよく見かけるシリコン素材のものです。

付属品だけ見れば特筆すべきところはありませんが、実売2000円で交換式ケーブルユニットを備えているのはもはや反則。

ただし、ケーブル・イヤーピース共に出来は決して良くないので、この部分に関しては別売りのものを購入するとよいでしょう。

ちなみに筆者はKZ社が発売しているアップグレードケーブルと、Kenwood社が発売している「スパイラルドット」という交換用イヤーピースを使用しています。

一方、XEC300は付属品が豪華だったような記憶があります。

実売1500円そこらのイヤホンながら、なぜか個別で買うと3000円近くする「コンプライ」という低反発イヤーピースが付属していました。

そう、ぶっちゃけXEC300を購入したのは「コンプライ」目当てで、音質面はおろかイヤホンとしての性能にも一切期待していませんでした(笑)

そのため、この部分だけはXEC300の勝利といえます。

3.装着感もShure掛け対応で悪くない

ZSTは俗にいうシュア掛けに対応しており、遮音性・タッチノイズの軽減に効果を発揮しています。

その分長時間装着すると耳が痛くなってくるのは事実ですが、これはシュア掛けの宿命でもあります。

一方XEC300はシュア掛けに対応しているわけでもないのに5分そこらで耳が痛み始めました。

あまり装着感などを気にしないで作成されたイヤホンなのかもしれません…。

もちろん、言うまでもないですが遮音性はゼロに等しいです。そのためのコンプライなんでしょうけど。

4.音質は値段以上も、やはり上位機種には劣る

ZSTの音質は、ハッキリいってとても1500円で購入していいような代物ではありません。

安物ハイブリッドイヤホンにありがちな音の破綻もなく、それなりにイヤホンを集めてきた筆者としても十分合格点を与えられます。

有名どころのイヤホンを目安にすると、Shure掛けを普及させた実売10000円前後の名機「Shure SE215」あたりには音質面で完勝しているように感じます。

また、音の傾向としてはドンシャリ寄りで、ロックやポップスを聞くのに最適なイヤホンといえそうです。

「音の繊細さ」はやや不足気味のためジャズやクラシックを鳴らすのは少し苦しいですが、1500円のイヤホンにそこまで求めるのは酷というものでしょう。

そのあたりもこなせるようなさらに完成度の高いイヤホンが欲しいという方は、実売約4000円の上位機種・ZS5をオススメします。

ただ、音質にそれほど関心がないというのであればZSTでも十分に満足できると思うので、価格差と自分が求めるクオリティとよく相談してください。

なお、XEC300の音質面については詳細なレビューをしません。

その理由は単純で、「音がこもりすぎて風呂場で音楽を聴いているような謎のエコーがかかってしまい、音質を評するレベルに値しない」ためです。

もっとも、1500円のイヤホンなんて大抵はそんなものです。実際XEC300もiPhone付属イヤホンくらいの力はありますので、ZSTの異常さが際立ちます。

3.まとめ

今回の記事では、格安中華イヤホン「ZST」の実力を分析してきました。

率直に言って、単純な音質だけでいえば1万円台のイヤホンとは十分に勝負ができるクオリティを誇っています。

もっとも、中華ホンだけあってビルドクオリティは高いとは言えませんし、初期不良品に関する報告もネットで数多く散見されます。

また、耐久性も今一つで、筆者のZS5も一年と少々で故障してしまいました。

そのため、超低価格を実現するために犠牲になっている部分も少なくないというのは事実です。

しかし、それらの点を差し引いても抜群のコスパを誇るイヤホンなのは疑いようもなく、購入を検討されている方は思い切って試してみることを強くオススメします。

最悪好みでなくてもせいぜい2000円程度ですし。