昨今は「若者の読書離れ」と言われるようになって久しいですね。
実際に、書店や出版社はかなり売り上げを落としていて、このへんの業界は就活では人気なのに将来性はない、なんて言われたりもします。
ただ、本を読めたほうがいいというのは変わりないと思います。
確かに、例えば学生がファミレスのバイトをするならば特に必要性はないでしょうが、小論文やレポートを書くのには役立ちます。
また、社会人になった後も、「読書は教養だ」という風潮に遭遇することになるかもしれません。
それらの事情が絡み合って、「本を読まなきゃ」と思っている学生さんは少なくないと思います。
そこで、この記事では「学生・20代のうちに読むべきおすすめの人気名作本・小説5選!」と題して、おすすめの本や小説を紹介していきます。
1.そもそも「大学生・20代が読むべき本」とは?
ただ一言で「学生・20代のうちに読むべき本」といっても、個人的にそこには大きく分けて2つのパターンがあると考えています。
本の紹介に入る前に、まずそこを解説していきます。
1.教養として読むべき本
まず、おそらくよく耳にするであろう「教養」として読むべき本が挙げられます。
ここに該当するのは、哲学書や宗教書、学術的な古典専門書などでしょう。
これらを読むことには、二つの効果が考えられます。
まず、基礎的な教養を身に着けることができるという効果です。特に、現代の社会はグローバリズムが進行しているので、様々な価値観がかなり日本社会にも影響を与えています。
それらを大本となるこうした本から理解することで、「知らないで恥をかく」という思いをしなくてもよくなります。
もう一つは、学業や事業に生かせるという効果です。古典的な名著は、大体の場合膨大な研究があります。それらを引用・参照しながら論じることで、簡単にそれらしいレポートを仕上げることができます。
また、ビジネスにおいては、上記同様「古典的な価値観を身につけておく」という作業が大切になります。同意をする必要はないですが、知っておくことはかなり大切です。
これらの本は本当に読むべきか
「おいおい、自分で読むべきって言ったじゃねえか」
と突っ込まれそうですが、上記はあくまで一般論です。
そのため、私はそれらの本を無理に読む必要はない、と考えています。それはなぜか。
答えは単純で、この読み方は本を楽しく読むという基本的な要素がスッポリと抜け落ちているからです。
確かに、教養を得ることが不要だとはいいませんが、無理矢理そういった本を読むと読書嫌いになる可能性が非常に高いです。
特に古典的な専門書の場合、ものすごく堅い日本語で書かれていることが多いです。私は多少本を読む方ですが、ハッキリいって非常に読みずらいと言わざるを得ません。
そのため、教授や上司に命令されない限り、無理に読む必要はないでしょう。
本の内容を知るだけならば、概説書や解説書を読めばいいだけの話ですし。
2.大学生・20代のうちに読んだ方が面白い本
私が今回紹介したいのは、むしろこちらの本です。
特に小説の場合、「読んだ歳によって面白さが変わる」というのは決して珍しいことではありません。
小説は、大概の場合面白いと感じるターゲットをある程度絞って書かれることが多いからです。
例えば、池井戸潤の著作を学生が読むのと、サラリーマンが読むのと、どちらが満足度が高いでしょうか。
その答えは、おそらくサラリーマンでしょう。学生にももちろんファンはいるでしょうが、少なくとも著者は明らかにサラリーマン層に向けた文章を書いていると感じます。
そして、言うまでもないですがこの逆ももちろんあります。
例えば、かいけつゾロリシリーズを小学生が読むのと、年配の方が読むのと、どちらが満足度が高いでしょうか。
これはもう言うまでもないでしょう。
つまり、小説にはある程度「対象年齢」というものが存在するのです。
そこで、冒頭のタイトルをもう一度振り返ってみましょう。
「学生・20代のうちに読むべきおすすめの人気名作本・小説5選!」というのは、つまり「この年齢より下だとよく理解できず、この年齢より上だとその青臭さに胸焼けする」というような本です。
もちろん、これはあくまで初読の話です。一度その面白さに魅了されれば、その後の人生ではいつ読んでも満足できるでしょう。
ただ、初読が高齢になってからだと、すごく冷めた読み方をしてしまうような気がする本を中心に紹介していこうという話なのです。
前置きが長くなりましたが、いよいよ本編に入りましょう!
2.大学生/20代のうちに読むべき!オススメの教養本・小説5選
ここからは、いよいよ本の紹介にうつります。
ただ、紹介する本はどれも歴史的名著で、かつ大ベストセラーばかりなので、あらすじや感想については割愛します。
ちなみに、ここで紹介する本は面白さと「教養」としての側面を兼ね備えているので、無理をしないでこっそり教養を身に着けることもできますよ!
1.村上春樹『ノルウェイの森』
さて、一番手は言わずと知れた村上春樹の大ベストセラー『ノルウェイの森』です。
そして、この本こそ、「対象年齢が非常に狭い」本の代表例なのではないかと思います。
先に宣言しておくと、私はこの本がおそらく一番好きな本です。そのため、いつか単体で記事を挙げることになるかと思うので、よろしくお願いします。
(追記:私の運営している別サイトで単独記事を立項したので、さらに『ノルウェイの森』について詳しく知りたいという方は下記の記事を参照してください)
ただし、魅力的な小説であると同時にとにかく欠点の多い小説でもあります。そこはファンの私も認めるところで、そのために好き嫌いがとにかく別れます。
おそらくハマり方は二通りあり、「何だか世間から浮いているような気がする若者」が内容に共感する、または村上春樹の文章や世界観が好みにストライク、というものです。
逆にいうならば、上記にあてはまらない読者が読むと、恐ろしくつまらないと思います。
世間と今一つ馴染めず、日々を無為に過ごしがちな大学生を主人公とし、ヒロインの心は高校時代のある地点に立ち止まったまま、体だけが生きています。
こういった内容のため、大ベストセラーではありますが特に若いうちに読むべき本だと思います。
2.F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』
お次はロスト・ジェネレーション作家であるフィッツジェラルドの代表作『グレート・ギャツビー』です。
これも相当に好きな小説なので、やはり単体の記事を書きたいと思っています。
超大富豪にして謎の男ギャツビーが、手に入れることのできないたった一つの愛を求める、というのが、主なストーリーです。
ギャツビーという男の穢れなき純粋な心の動きが見所なのですが、この点は若いうちに読まないと「馬鹿らしく見える」可能性があります。
超大富豪で望めば何でも叶うならば、たった一つの愛を求める必要はあるの?と感じてしまうと、一気にチープな物語になってしまうでしょう。
そのため、社会の荒波にもまれてスレてしまう前の若いうちに、この本を読んでおくべきかもしれないです。
また、アメリカでは20世紀を代表する小説と評価されており、何度も映画化がなされています。
そのうち2013年版については単体で記事を書いているので、関心がある方はそちらも合わせてご参照ください。
さて、分かる人にはだいぶ私の好みがわかってきたのではないかと思いますが、次の本にうつります。
(追記:私の運営している別サイトで単独記事を立項したので、さらに『グレート・ギャツビー』について詳しく知りたいという方は下記の記事を参照してください)
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