3.J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』
さて、この本は以前このブログで紹介しました。
4.カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
お次は、数年前にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの代表作『わたしを離さないで』です。
この小説に関しても単体で記事を書いているので、さらに詳しく知りたい方はそちらをご参照ください。
あまりネタバレには触れずにいきたいのですが、とある施設における少年少女の成長物語が主なストーリーです。
ただ、読み始めればすぐにわかるので言ってしまいますが、単純な青春小説ではありません。
読みはじめて早々馴染みのない専門用語が飛び交いますが、読み進めていくうちに霧が晴れるようにさまざまな違和感や謎の正体が明らかになっていきます。
その登場人物たちの年齢や、青春小説であることを考えると、若いうちに読んでおいたほうが共感の度合いがグッと高まります。
この本はネタバレが痛いタイプの本なので、詳細はぜひ読んで確かめてほしいところです。
現代イギリス文学の中では最も面白いとさえ感じている本なので、あまり古い本を読みたくないという方にもおすすめです。
5.ドストエフスキー『罪と罰』
さて、最後はここまでと一風変わって、古典的名作小説であるドストエフスキーの『罪と罰』を紹介します。
正直、ここまで紹介してきた本に比べると読書の難易度はやや上がります。
しかし、物語としては元大学生のラスリーニコフが犯した殺人をめぐって苦悩するという、若さが狂気に結びついている作風であり、今読んでも十分に面白い作品であるという観点から選びました。
そのラスリーニコフの内的描写を感性の点から理解するには、「未来ある若者」と自己分析をしている年代が読むべきでしょう。
また、『罪と罰』に関しては教養的にも評価されがちな小説であり、楽しみながら教養を身に着けるということもできます。
ただ、繰り返しにはなりますが少し読むのが難しい本なので、ある程度純文学が読めるようになってきたころに手を出してみることをオススメします。
(追記:私の運営している別サイトで単独記事を立項したので、さらに『罪と罰』について詳しく知りたいという方は下記の記事を参照してください)
3.まとめ
ここまで、「大学生・20代のうちに読むべきおすすめの名作本・小説5選!」を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
正直、書いてて「自分の好きな小説を上から挙げていっただけでは?」という気もしています。もちろん、これだけではなく読むべき作家は他にもたくさんいます。
例えば、太宰なんかは典型的な対象年齢の狭い作家ですので、早めに読んでおいたほうがいいでしょう。
まあ、身も蓋もないことを言ってしまうと、大概の小説は「なるべく若いうちに読んだほうがいい」というのは確かです。
結局、若いうちに読んだ小説が自分の審美眼や価値観の基準になってしまうからです。
つまり、何が言いたいかというと「もっと本を読みましょう」という、月並みな結論になってしまうわけです。
音は出ない・コスパがいい・どこでも読める・格好がつくなど、内容だけでなく本だけのメリットはたくさんあります。
今回は小説をメインに紹介しましたが、別に小説である必要は全くありません。
読みたい本があれば、「今読まなければ面白さを損なうかもしれない!」と考えて、ガンガン読んでいきましょう。
今回紹介した作品一覧
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