新元号「令和」はどこから取られた?由来や意味、漢字の成り立ちを徹底解説!

伏見稲荷大社 鳥居歴史
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さて、2019年4月1日は新年度幕開けの一日ですが、例年と異なる出来事があったのは皆さんもご存知でしょう。

そう、来月1日の天皇陛下即位に合わせ、かねてより関心を集めていた新元号が公表されたのです!

その元号は「令和」と定められ、今後は和暦として採用されていくことになります。

そこで、この記事では「令和」の由来や意味を解説したのち、せっかくの機会なので日本の「元号」というものが歴史の中でどのように用いられてきたのかについても解説を加えていきます。

なお、本来は参考文献を用意して解説するのが筋だとは思うのですが、情報の鮮度を重視したいこと、Wikipediaの「元号」の項が参考文献を明記しており内容の学術性も認められることから、ここではWikipediaの記事を参考にしています。

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1.新元号「令和」の由来は『万葉集』

菅官房長官 令和 発表画像出典:https://www.huffingtonpost.jp/

まず、令和という漢字二文字はいったいどこから取られたものなのかを見ていきます。

元号の発表を担当した菅官房長官は、

『令和』は『万葉集』の梅花の歌、三十二首の序文にある『初春の令月(れいげつ)にして、気淑く(きよ)風和らぎ(やわらぎ)、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披き(ひらき)、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす』

出典:NHK

と発言しており、日本最古の和歌集『万葉集』の序文を引用したものであるというのが公式の見解です。

この発表で注目するべきは、「元号が日本の書籍から採用された」という点でしょう。

これまでは、慣例として中国古典からの引用によって元号の漢字二文字を制定していました。

しかしながら、今回の新元号は日本古来の書籍から初めて引用されているのです。

1.中国古典ではなく日本古典から新元号が引用された意味

さて、ここからはこうした先例がありながら今回あえて日本古典から元号を引用した理由について考えていきます。

これに関しては政府からの見解がないので推測になってしまうのですが、「日本古来の文化は中国古典と比肩するに足る」という認識をもっていたためではないでしょうか。

この元号そのものは、有識者らによって意見を聞いたのちに漢文学や東洋史に精通している学者によって提案されたものを選出するという形で制定がなされます。

つまり、候補の中には当然ながら中国古典由来のものもあったことでしょう。

それでもあえて『万葉集』から元号を採用したというところに、日本古典からの引用を重視していたことがわかります。

この慣例変更については「ナショナリズムを強調した結果だ」という意見もあるようですが、個人的にはむしろ歓迎すべき変更だと感じています。

『万葉集』に関しては成立から1000年以上が経過しており、日本古典としては最古にして起源ともいえる文学作品です。

格式も非常に高く、加えて「詠み人知らず」のいち民衆が残した歌も数多く収録されています。

それゆえに、中国古典からの引用に劣ることのない格と、当時の様々な立場の人々が読んだ歌集からの引用という多様性も感じられ、良い選択だったように思えます。

2.令和は中国古典からの孫引きだった?

ただ、この「令和」という元号をめぐっては、Twitterで「中国古典からの孫引きなのではないか」という指摘がなされています。

このように、後漢の張衛という人物が記した「帰田賦」という書籍を参考にしていたと指摘されています。

『万葉集』が書かれた当時の知識人たちの間では中国古典に造詣が深いことはもはや必須事項であったと言っても過言ではなく、ここから引用されたという説もおそらく真実に近いでしょう。

それゆえに、『万葉集』オリジナルの語句ではないと判明したことで一部の層から批判が噴出しています。

ただ、一点擁護するとすればそもそも当時の日本古典に中国古典からの影響が全く見られないものは存在しないとさえ断言できることです。

つまり、日本古典を出典元にしようとすれば、中国古典との類似性が見つかってしまうのはある程度仕方がないといえます。

もっとも、個人的には『万葉集』の製作から既に1000年以上が経過していますし、『万葉集』の引用もパクリという訳ではなく技法の一つであったため、むしろ「中国古典の偉大さ」もリスペクトしていてよいのではないかと感じています。

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2.新元号「令和」とは?その意味を徹底解説!

事典画像出典:https://nelog.jp/web-dictionaries

お次は、「令和」という二文字がもつ意味をそれぞれ解説していきます。

1.令は「よい」という意味がある

まず、一文字目の「令」という漢字についてです。

この漢字は「命令」や「法令」などの単語でよく見かけるように、日常生活では「いいつける」という高圧的な意味をもちがちです。

それゆえに、「いいつける、という語を元号にするのは不適切だ」という意見も散見されます。

しかし、この「令」という漢字に込められた意味は「いいつける」だけではありません。

以下に「令」という漢字がもつ意味を列挙しておきます。

  1. 言いつける。命ずる。言いつけ。お達し。
  2. おきて。のり。「条令・法令」
  3. 長官。「県令」
  4. よい。りっぱな。「令色・令名」
  5. 相手の親族に対する敬称

  出典:https://dictionary.goo.ne.jp/word/kanji/%E4%BB%A4/

おそらく、ここでは4の「よい。りっぱな」という意味が採用されています。

実際に引用個所を見てみると「令月」という単語が登場するので、「よい月」と訳すのが最も自然に感じられます。

つまり、「いいつける」というイメージが先行しがちな「令」という漢字ですが、古来よりプラスの良い意味があったのです。

2.和は「互いを尊重する」または「日本」の意味

次に、二文字目の「和」についてです。

こちらは先ほどの「令」と比較すると初見でも意味が取りやすいのではないかと思います。

実際に、「昭和」という元号が30年前まで存在していましたし、他にも「明和」や「元和」など複数の元号で採用されています。

一応意味のほうも列挙しておくと、以下のようになります。

  1. 仲よくすること。互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあること。
  2. 仲直りすること。争いをやめること。
  3. 調和のとれていること。
  4. ある数や式に他の数や式を加えて得られた結果の数や式

  出典:https://dictionary.goo.ne.jp/jn/237255/meaning/m0u/

この中であれば1と2のどちらも意味としてはふさわしく思えますが、個人的には1の「互いを尊重する」という意味ではないかと思います。

したがって、「令和」という元号は「お互いを思いやるような良い関係性を築くこと」を掲げていると言えそうです。

また、「和」という漢字には「日本」という意味も存在し、古い呼び方では日本のことを「倭国」と呼称しています。

そのため、「優れた国である日本」という解釈も成り立ちそうです。

いずれにしても古典からの引用ではありますが、今の世相と課題を反映した二文字だと感じました。

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