「バイトテロ」はなぜ起こる?人間心理やSNS炎上の特質から原因を徹底検証

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昨今の社会で問題となっている「バイトテロ」という言葉。

皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

最近では、大手自動車用品販売店「イエローハット」の元従業員がSNS上に商品を損害する動画を掲載し、逮捕されるという事件が発生しました。

この他にも、過去には回転ずしチェーン店「くら寿司」やコンビニエンスストアの「ローソン」などで、SNS上の投稿が原因で何度も大きな騒動に発展しています。

しかし、これらのニュースを目にして「どうしてこんなことをしてしまうのだろう」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では「バイトテロ」という現代ならではの問題を解説し、その原因を考察していきます。

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1.そもそも「バイトテロ」とは?SNSでも炎上すると痛い目に遭う…

バイトテロ 実際の事例画像出典:産経ニュース

冒頭でも言及したように、「バイトテロ」という言葉自体には馴染みがあるという方も多いと思います。

しかし、言葉の成り立ちや具体的な定義についてはあまり知られていないという気がするのもまた事実。

そこで、本論に入る前にバイトテロの成り立ちや定義を解説していきます。

まず、Wikipediaが示している定義は以下の通りです。

発生した企業・店舗(およびグループ会社・同業者全体)に対する社会的なイメージダウンを引き起こすのみならず、返金や商品の返品・交換および消毒、最悪の場合は発生した店舗の(フランチャイズ)契約解除や閉店に伴う巨額の損害賠償の請求も発生することから「アルバイトによる、テロ行為」として「バイトテロ」と呼ばれる。

(中略)

個人のブログやTwitter、Facebookを始めとするSNSにおける不適切な発言や写真投稿に対して批判が殺到する「炎上」の一類型であるとされ、また、問題の投稿に対して批判する側が集団でエスカレートして行く状況について「祭り」の一種と見る向きもある。

この内容を要約すると「SNSによって拡散されたアルバイト職員による不適切投稿とその投稿によって引き起こされる騒動全体」のことを「バイトテロ」と呼称するようです。

したがって、この問題を紐解いていくためには「SNS」というものに対する正しい認識が欠かせないということがわかるでしょう。

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2.なぜ「バイトテロ」は引き起こされ、炎上してしまうのか

たき火 炎上

言葉の成り立ちや定義を整理したところで、いよいよ「バイトテロ」が引き起こされる要因を検証していきたいと思います。

ただ、この問題は「馬鹿な人間が馬鹿な投稿をした」という自己責任論だけでは片付けられない側面があります。

そこで、具体的な個人の能力を追求するのではなく、社会的な要因から検証を進めてみたいと思います。

1.SNSが世界と繋がっているという「実感」の欠如

まず第一の原因として考えられるのは、SNSが世界と繋がっているという「実感」の欠如です。

実際、筆者の周囲にいる友人たちを見ても「これをSNSに投稿しちゃって大丈夫?」という印象を抱くことが決して少なくありません。

しかし、そういう層であっても「SNSが世界と繋がっている」ということを知らないという訳でもなさそうなのです。

恐らく「SNSは世界と繋がっているか否か」と尋ねれば、だいたいの方が正解を言い当てることができるでしょう。

つまり、我々に不足しているのは上記の知識ではなく、投稿が世界中に拡散されているという「実感」の部分ではないでしょうか。

もっとも、この「実感」というものを得るのは簡単なことではないと思います。

人間の感覚的な部分はある程度幼少のころに構築されてしまいますし、精神がある程度成熟した段階で後天的に身に着けるのは困難です。

そのため、バイトテロを含むSNS絡みの騒動を引き起こすのは、若者だけに限ったことではありません。

むしろ、個人的にはSNSが上の年齢層に普及していけば今よりもっと騒動が増加すると考えています。

2.いつでもどこでも誰でも気軽に投稿ができるようになった

次の原因として考えられるのが、「投稿の容易さ」です。

近年はスマートフォンが爆発的に普及しており、特に若年層に至っては「生活必需品」と呼んでも差し支えありません。

今どきのスマホにカメラ機能やSNSのアプリが対応していないことは考えにくいので、必然的に「誰もが」気軽に投稿できるようになりました。

さらに、投稿に場所やタイミングを選ばなくなったのも大きいと感じています。

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「バイトテロ」に類する行為は、恐らく古今東西どの時代・地域にも存在していたでしょう。

しかし、そこで行なった「いたずら」が世界中に公開されるということはありませんでした。

我々と同じように「いたずら」の内容を他人に共有するときは、おおかた会話や文書によるものが多かったはずです。

すると、その「いたずら」を知ることができるのはわずかな人間に限られますし、拡散力もSNSには遠く及びません。

つまり、ここで言いたいのは「バイトテロに類する行為が増えたのではなく、行為の共有や拡散が容易になっている」というのが原因だと考えられます。

ここから、「最近の若者は~」というような文脈で個人や特定の世代に責任を押し付けてはいけないということが言えるのではないでしょうか。

3.炎上の性質と「正義感」や「ルサンチマン」がリンクした

最後の原因は、投稿者側ではなく拡散者側の「正義感」や「ルサンチマン」が影響しているというものです。

「バイトテロ」の定義を見直すと理解できますが、騒動が引き起こされるには「炎上する人」と「炎上させる人」の存在が欠かせません。

「炎上させる人」というと少し語弊がありますが、事実関係を整理すると浮かび上がってくる要素という事は間違いありません。

もちろん、「炎上させる」という行為自体は良心に基づいていることも少なくなく、あくまで結果論的であるともいえます。

実際、「社会的正義」の側面から拡散に協力する、あるいは衆目に晒すことで隠蔽を防ぐために「注目度」を生かす方策として炎上を狙うという事もあるでしょう。

ただし、あくまで筆者の印象ですが「炎上させること」それ自体を目的として拡散する野次馬も少なからず存在していると感じます。

ここに至る動機としては、「娯楽」として炎上を楽しむ、あるいは「ルサンチマン」の精神で社会的復讐を果たすというものが考えられます。

どちらも該当の企業からしてみればたまったものではないでしょう。

もっとも、たとえ炎上そのものを目的としていたとしても、「炎上の仕掛人」を責めることができないのが複雑な点です。

大概の場合「バイトテロ」を引き起こした人物が悪事を働いているのは事実ですし、雇用元の企業にも責任が生じるのは否めません。

ここから、「バイトテロ」をめぐる問題は一筋縄で解決できないことがわかります。

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3.「バイトテロ」を防ぐには

疑問 イメージ

最後なりますが、ここまでまとめてきた原因から「バイトテロ」を防ぐにはどうするべきか、という点に触れて記事を締めたいと思います。

まず第一に言えるのは、「小手先の指導では根本の問題に対処できない」ということです。

「バイトテロ」の増加に伴い、各企業では情報リテラシーの教育やSNSに関するルールを徹底していると聞きます。

これに全く効果がないとは言えませんが、恐らく根本的な解決には繋がらないでしょう。

根本的な部分を改善に導くには、原因の点で指摘した「実感」の面を身に着けさせることが欠かせないと思います。

これがない状態で小手先の指導や教育を行っても、当のバイト本人に「危険なことをしている」という実感がなければ意味はありません。

たとえ誓約書を書かせて職場にスマホを持ち込ませなかったとしても、バイト以外の部分で拘束することが難しいのでリスクが常に付きまといます。

そこで大切になってくるのが、「小学生くらいの時期からネットリテラシーを叩きこむ」という学校教育の側面です。

ほとんどの初等・中等教育機関ではスマホの使用を禁止していると聞きますが、それは問題を将来に先送りしているにすぎません。

むしろ幼少期からスマホやSNSに親しませ、同時に危険性の教育をする必要があるでしょう。

ただ、「スマホ使用の危険性を排除しきれない」「保護者の反発が根強い」「そもそも教員のネットリテラシーが不足している」という課題も山積しています。

したがって、情報教育が進んでSNSと人間が適切に付き合っていけるようになるのはまだ先の話といえそうです。

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