独立前に知ってほしい、フリーランスに関する3つの現実:良いイメージは大半が「幻想」である

フリーランス
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皆さんは、「専業フリーランス」と聞くとどのようなイメージを持ちますか?

あくまで私感ですが、

・自分の力で生きるからスキルが伸びる
・今よりも収入が増える
・会社に依存しない生き方ができる

というように、割と良いイメージを持っている方が多いと考えています。

しかし、現役フリーライターの私からすれば「上記のような良いイメージは、大半が幻想である」と言わざるを得ません。

この記事では、普段持ち上げられがちなフリーランスの「マイナス面」に注目し、その実態と現実を解説していきます。

なお、本記事で言うところのフリーランスは「専業」を指しており、副業やアルバイト的な働き方は想定していません。

むしろ、大学生がアルバイト的にフリーランスとして働く、ことについては強く推奨しているくらいなので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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1.フリーランスの語源が「傭兵」であることの意味

まず、この「フリーランス」という言葉はいったい何に由来するか。その点を解説していきます。

フリーランス(free lance)とは、中世ヨーロッパにおいて戦争が起こった際、貴族たちが常備軍とは別に雇った「拘束されない傭兵」を語源とします。

当時は「槍兵(ランサー)」が中心となって一つの小部隊を構成していたため、この呼び方が生まれたようです。

近世以降になると、社会の変革に伴って「拘束されない労働者」という意味が生まれ、そして現代に至ります。

ここで重要なのは、「フリーランスとは、つまり傭兵である」ということ。

言葉の発祥と現代で用いられている意味が全く異なるというのはよくあることですが、この「フリーランス」という語において、「傭兵」という語源はその実態を端的に表しているといえます。

ちなみに、傭兵とは「兵役によらず、金銭で雇われる兵士」。

現代に置き換えると、「会社に雇用されているわけではなく、金銭で雇われる労働者」と、ほぼそのまま労働の場面に用いることができるのです。

以上のことを頭に入れたうえで、フリーランス界の実態を分析していきましょう。

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2.専業フリーランスに関する3つの現実

ここでは、いよいよ「専業フリーランスに対する3つの幻想」という本題に触れていきます。

「フリーランス」と一口に言っても無数の仕事があるわけですが、ここでは「ライター・エンジニア・デザイナー・イラストレーター」などの職を対象にしています。

1.フリーランスになればスキルが伸びる、は大ウソ

まず、「自分の力で生きるからスキルが伸びる」というイメージは、ハッキリ言って大ウソもいいところ。

むしろ、「スキルを伸ばす」というだけなら会社員のほうが数百倍恵まれた環境にあるといえます。

それはなぜか。

先ほど「フリーランスは傭兵」と説明したように、フリーランスを雇用するクライアントは「自分たちにはできない、または自分たちがやるほどでもない仕事を、スキルのある人物に頼みたい」という考えで人を雇っています。

言い換えれば、基本的に即戦力であることを見込んで契約しているわけです。

なので、クライアントにしてみれば「フリーランサーが成長する」なんてハナから期待していないことが大半で、当然ながらスキルを伸ばすための支援などは一切ないと考えてください。

逆に言えば「もうちょっと成長してほしいな…」と思われてしまうようなフリーランスは、そもそも仕事にありつけません。

彼らが期待しているのは「傭兵」であり、「即戦力」だから。

とはいえ、もちろんフリーランスになってからスキルが伸びることは珍しくありません。

私の場合、フリーライターになった当初よりも文章は随分マシになっていると思いますし、それが報酬にも表れはじめました。

ただ、我ながらこれは「フリーランスとして活動していたからスキルが伸びた」というわけではなく、「フリーランスとして生き残るためになんとか手を尽くして学んだ結果」だと思っています。

どうしても就職活動をする気が起きなかったためにぶっつけでフリーランスとして独立する道を選んだわけですが、「スキルを伸ばす」という目的だけなら会社員を経由したほうが絶対に効率的です。これは、やってみたからこそわかる経験則。

会社員の場合、企業は社員を「傭兵」ではなく「資産」として雇います。

社員に育ってもらって、ゆくゆくは会社を支えてもらいたい。と考えていることでしょう。

そのため、フリーランスとは異なってしっかりと研修がありますし、皆さんのミスをフォローする上司もいるハズ。

会社によって方針はまちまちで、アメリカ型企業は「人材育成」に重きを置いていないとも言われますが、それでもフリーランスよりはスキルを伸ばしやすいでしょう。

ここまでの内容をまとめると、正しくは次のようになります。

フリーランスになってスキルが伸びることもあるが、スキルを伸ばすだけなら会社員のほうが絶対に向いている

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2.フリーランスになれば収入が増える、もある意味ウソ

フリーランスになる動機の一つに「収入を増やしたい」というものがあります。

例えば、SEの場合同じ仕事をしても収入が倍近く変わると聞いたことがありますし、企業に持っていかれている部分があるのは事実。

しかし、「どんな分野でもフリーランスになるだけで今よりも収入が増えるか」というと決してそんなことはなく、むしろ平均的に見ていくと「会社員よりもフリーランスの年収は低い」という現実に直面します。

ここで2つのデータを見てみましょう。

まず1つは、クラウドソージング最大手「ランサーズ」がまとめている実態調査「フリーランス白書」内の年間収入に関する統計。

ここではフリーランスに関する様々なデータを見ることができるのですが、フリーランス労働時間が140~200時間の「フルタイムワーカー」のうち、年収400万円未満の割合はなんと約4割

しかもここに出ている数字は経費・所得税を差し引く前の「売り上げ」であり、手取りに直すと50万円以上下がることになります。

一方、国税庁が発表している会社員の給与統計を見てみると、平均給与は約465万円

これはボーナスや福利厚生を含まない給与額であり、税金などを考慮しても手取りは大きく変動しません。

以上のデータを比べてみると「フリーランスは会社員に比べて不安定で手間が多いにもかかわらず、収入も低い」という、なんとも残念な結論が出てきてしまうのです。

もちろん、職種やスキルによっては収入が上がることもあるでしょうし、「年収1億円!」などの夢があるのは間違いありません。

しかし、先のデータによると、売り上げ2000万円以上のフリーランスは全体の1.6%

1億円プレイヤーになるというのは、音楽や漫画で売れっ子になるのと同じ「夢物語」と言ってしまっていい割合でしょう。

ここまでの内容をまとめると、以下のように表現できます。

フリーランスになって年収が上がることもあるが、会社員より低い収入で生活している人が多い

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3.フリーランスは会社に依存しない、なんてことはない

フリーランスを目指す学生に話を聞いていると、「これからの不安定な時代で、会社に依存しないで生きていきたい」という言葉を耳にします。

ここまで会社員の良いところを書くような記事になってしまいましたが、確かに会社員には「会社に依存しなければならない」という側面があります。

自分がどんなに業績を上げていたとしても、会社が傾いてしまってはリストラされかねません。

そう考えると、これは会社員の大きな弱点といえるでしょう。

しかし、結論から言ってしまうと「フリーランスといえども、会社にはある程度依存しなければならない」というのが現実。

私のやっているフリーライターという仕事は特にそうなのですが、基本的にメディアや出版社から執筆依頼を受けて記事を書きます。

そのため、たとえ十分なクオリティの記事を書いていたとしても「会社の方針転換」や「業績不振」によって依頼がなくなってしまう例はよく耳にします。

基本的にフリーライターが一つのメディアだけで仕事をすることはないので(やっていたら絶対にやめたほうがいいです)、すぐ路頭に迷うということはありません。

ただ、大きな収入減に直結することは間違いなく、「会社に依存していない」なんてことはないのです。

さらに、「不労所得」として誰もが憧れるブロガーやYoutuberの場合、GoogleやAmazonといった巨大IT企業への依存度が高くなりがちであり、時には会社員よりも一社に依存しなければならなくなってしまうことも。

こういった企業は予告なく、トツゼン人生を左右するような大アップデートをかましてくるので、たとえ成功しても非常に不安定な生活を強いられます。

ちなみに、会社への依存度を下げる最大の近道はフリーランスではなく、「会社員プラス副業」の二馬力で活動すること。

そうすることで、万が一のことがあっても生きていく保険がかけられるのです。

ここまでの内容をまとめると、次のようになります。

社員より会社への依存度は下がるが、フリーランスも会社に振り回される

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3.フリーランス最大にして絶対のメリットは「自由」であること

ここまで、世間にささやかれる「フリーランスの幻想」を、実態とデータから破壊してきました。

内容だけを見ると「フリーランスをクソ味噌にけなして会社員を勧めてくるヤツ」みたいになっていますが、決してそんなことはありません。

その証拠として、現に私はフリーライターとして活動中なのですから。

では、ここまで説明してきたようなデメリットを背負ってまで、なぜフリーランスという働き方を選んだのか。

言うまでもなく、会社員にはない「絶対的なメリット」を見出したからです。

それは、何度も強調している「フリーランスの語源」に隠されています。

もう一度整理すると、フリーランスとは「拘束されない傭兵」のこと。

私は、「傭兵」という部分ではなく、「拘束されない」、言い換えれば「自由である」ことにこの上ない魅力を感じたので、フリーライターになりました。

もちろん業種にもよるでしょうが、私の場合は住む場所や勤務時間、社内ルールなど、とにかく一切の制約を受けていません。

私は「誰かに拘束される」ことがとにかく嫌いなので、一般的に決められている「週5日9時‐17時の8時間労働」というのは受け入れがたいものでした。

「なんで一週間の大半を仕事に奪われないといけないの?」と思ってしまったのです。

さらに、大学生活の経験上「チームプレー」がとにかく苦手。上司とも部下ともうまくやっていけない自信がありました。

そういうわけで、数々のハンデを背負って「新卒フリーライター」という無茶な挑戦に乗り出さざるを得なかったのです。

私の考えをまとめると、「専業フリーランスになるかどうか」の判断基準

「自由を得るために、安定や収入などを犠牲にできるか」

という点ではないかと思います。

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